2か月予約待ちの人気霊能師さんに視てもらった話(後編) | いざよいブログ
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2か月予約待ちの人気霊能師さんに視てもらった話(後編)

その他

前回の続きです。かなり前のことになりますが、2か月待ちの人気霊能師さんに視てもらったので、そのレポです。前世やら使命やらオーラやら婚期やらをハイテンションのマシンガントークで教えてもらったあと、住んでいる部屋を視てもらいました。

前編からお読みください:

部屋の運勢

はじめに視てもらいたいものを決めて、それに合わせて霊視を行っていくというスタイルではありましたが、霊能師さんは時間が許す限り、たくさんのことを視てくださいました。その中には特に視てもらう予定のなかったものまでありました。

視てもらう予定のなかったものの1つは、私の住んでいる家についてです。冒頭で「引っ越したほうがいいね」と言われていたあの家です。「この家、住人が定着しないのよね…」と言われたので、「学生アパートなんです」と答えると妙に納得していました。

部屋の中も視てもらいました。霊能師さんは紙に四角を描いて、大雑把に縦に3分割しました。そして「右側、水回り?」と尋ねました。内心「オーソドックスなアパートやマンションなら、中央に水回りが来ることはなかなかなかろうし、“水回り”にはシンクも風呂もトイレも含まれるからねえ…」と思いつつも、頷きました。

霊能師さんはなにかに神経を集中させてしばらく沈黙します。

「…え、なに!?左側めっちゃ物あるんだけど!!(笑)」

部屋の左側に冷蔵庫もタンスもベッド下収納も集中している上、めちゃくちゃ散らかっていたので当たっています。さらに、

靴下もパンツも多すぎじゃない!?古いのは捨てて!(笑)」

と、かなりプライベートなことに踏み込んできました。そんなとこまで見られているのか…と思うと恥ずかしく、部屋を掃除してくればよかったと思いましたが(笑)、靴下もパンツも足りないくらいだと思っていたので、「ほぉ…」となんとも言えない返事をしました。

霊能師さんはまた黙って、神経を集中させます。

「ねえ、左側にテディベアいない!?」

「いないです」

ベージュのクマなのよ、ダッフィーちゃんみたいな…。クマだよ!?」

「いないですね(笑)」

クマ推しがすごく、思わず笑ってしまいました。女の家にクマがいる確率ってどれくらいなんだろうと思いつつ、「犬ならいますけど…」と答えました。すると、「どんな色?大きさは?」と食い付いてきました。黄色で、ゲームのキャラクターで、大きさはこのくらいの…なんて言って両手で示すと、霊能師さんはわかりやすく無関心になり、「クマなのよね…」とつぶやきました。

↑この子。

「ベージュのクマだよ、ふわふわの。一番大きいやつだよ。写真とか絵とかかもしれないんだけど」

このように再度クマをプッシュしてから、霊能師さんは「そのクマ、運気とめてるから捨てて。今持ってなかったら、今後もらうかもしれないけど、受け取らないでね」と忠告し、クマトークは一旦終わりました。

私がインチキ霊能師だったら、しずえちゃんで「あ、その『しずえちゃん』ってやつかも!」なんて言って妥協しただろうと思いますが、そこで「ベージュのクマ」と一切譲らないあたり、さすがプロだなと感心しました。

しかし、部屋の状況というのは、守護霊やらオーラやら前世やら…といった検証しようもない事柄とは違って、当たり外れがはっきりしています。私を紹介してくれた友人は神棚の位置を当てられ、さらにその友人は「十字架のネックレス」の置き場所を当てられたのだそうです。正直、そういうのを一番に期待していました。「当たってる!キャー!コワーい!」ってやりたかった。でもどう考えたって靴下もパンツも多くないし、クマもいない。私は「ホンモノの霊能師なんか、いないよな…」とだんだん残念な気持ちになっていきました。

霊を引き寄せる体質

残念な気持ちになりつつも「まぁ間違えることもあるだろう」と自分に言い聞かせ、話を聞き続けました。健康のこと、亡くなった祖母のこと、将来の息子のこと、ここ数年間の運勢など、書ききれないほどたくさんのことを視ていただくと、残り時間が迫っていました。

最後に霊能師さんは、いくつかのスピリチュアルなアドバイスをくださいました。なんでも私はありとあらゆる霊や人を寄せ付けやすいそうです。良い霊や良い人ならともかく、悪い霊も悪い人も寄せ付けてしまうようで、厄除け的なことをしたほうがいいとのことでした。おもむろに霊能師さんは腕まくりをして、身に付けていたスピリチュアルな感じのブレスレットを見せてきました。 

 ↑色は忘れたけどこんなやつ。

私は「ブレスレットを売りつけられる…!」と思い、少し身構えました。しかし霊能師さんが次に口にしたことは、むしろ全く逆でした。

「厄除けと言っても、こういう石のはダメね!まーつけてもいいけど、memaiさんには弱すぎて効かないよ!」

石のブレスレットは効果が弱く、普通の人ならよくても、霊感が強めの人間にはあまり意味がないということでした(霊能師さんの見せてくれたブレスレットも「使い捨て」の単なるお飾りだそうです)。そして「石買うくらいなら…」と、霊能師さんは突然自分の胸元に手を突っ込み、脇から御守を3つほど引っ張り出して、「神社の御守のほうがいいよ」と言いました。なかなかセクシーな光景に戸惑ってしまいました。

さらに、ラッキーカラーというものを教えてくださりました。基本的にはオーラと一緒らしいので、私のラッキーカラーは青と紫なんだそうです。しかし霊能師さんは続けます。

「…でも、memaiさんは金色を身に付けたほうがいいね。金色って厄除けの意味があるの。黄色じゃなくてね。黄色はあなたには弱すぎる」

それ以外にも、塩を持ち歩いたほうがいいとか、足の裏から霊が入ってくるから白い玄関マットをひいたほうがいいとか、色々な厄除けの方法を教えてくださいました。

家に帰ってから…

タイマーが鳴り、霊視は終わりました。あまりの情報量にボーッとしてしまい、その後のことはほとんど記憶に残っていませんが、帰り際に「こんなに霊格高い人に会えて嬉しい!」と、またしても全く心当たりがない褒め言葉をいただいたことは覚えています(そして心当たりはなくても褒められると嬉しい)。その日は実家に帰ったため、下宿先のアパートに帰るのはその2日後でした。

霊視中、たくさんのことを言われましたが、私は何よりも「ベージュのクマ」が気になっていました。ベージュのクマのぬいぐるみを持っていないことについては、200%の自信がありました。となると、何らかの「ベージュのふわふわ」を霊能師さんがクマと見間違えたに違いない…。高いお金を払って視てもらった手前、(これがスピリチュアルの怖さとはいえ)単なるインチキとは認めたくない気持ちがありました。この認知的不協和を解消するためにも、せめて「ベージュのふわふわ」を見つけ出そう――新幹線の中でそんなことを考えながら、いつか事故物件になるかもしれないアパートに着きました。

家に入ると一目散にベッド周りを探しました。見つかったのは、せいぜいベージュのセーターとグレージュの手袋、茶色のタオル。頑張れば「ベージュのふわふわ」と言えなくもないのですが、特にピンとくるものはありません。これが運気を止めていると言われても、あんまり信じられないようなものばかりでした。

またしても、だんだんと残念な気持ちになってきました。当時の彼氏と別れたばかりで滅入ってたとはいえ、非科学的な霊能師とやらを信じてすがってしまった自分がバカだったのかもしれないと思いました。自分みたいなカモがいるから、そんな嘘くさい商売が成立してしまうのかもしれない…とも思いました。

そんな気持ちで、「ベージュのふわふわ」候補たちをなんとなくベッドに並べようとしたとき、あることを思い出しました。

「そういえば、ブランケットにプーさんの絵が描いてあったな…」

随分昔に、母がどっかのショッピングセンターで買ってきて、とりあえずダラダラと使い続けているけれども、ベッドと壁の間に落ちてしょっちゅう埃まみれになっているのと、見た目が安っぽいので特に気に入っていないあのブランケット。

…さっきまでは気にならなかった自分の背中の感覚と、換気扇の音、そして今この部屋に自分しかいないという事実が、無性に気になり始めます。バッと振り向いて背後を確認したい衝動に駆られます。

部屋は気持ち悪いほど静かでした。そんな部屋の静けさをかき消すように

「まぁでもプーさんって『黄色のクマ』だしねぇ」

と私は声に出しながら、恐る恐るかけ布団の下で丸まっているブランケットを引っ張り出し、両手で拡げてみました。

はい。ベージュのクマです!

ブランケットには確かにプーさんがプリントされていました。しかしセピア調の配色で、プーさんの体はまごうことなきベージュ色。ブランケットに大きくプリントされていたので、身長は1m近くあったでしょうか。霊能師さんの言葉を思い出します。

“ベージュのクマだよ、ふわふわの。一番大きいやつだよ。写真とか絵とかかもしれないんだけど”

確かにベージュのクマだし、ふわふわだし、一番大きいし、絵でした。

このベージュのクマは、写真(↑)を撮ったあと、直ちにゴミ袋に入れました。幸いにも全然気に入っていなかったので、捨てることにためらいは全くありませんでした。

その後、「多すぎ」と言われた靴下とパンツも一応数えてみましたが、靴下が20足、パンツが15枚ありました。確かに結構多い。古いものがほとんどだったので、こちらも半分くらい捨てました。

そのほかにも、今回は省略しましたが、霊視中「そんなのないけどな」と思っていた些細な部屋の特徴もいちいち当たっていました。こういう部屋の特徴が見事に当たっていることで、霊を引き寄せやすいこととか病気のこととかも当たっているかもしれない…足の裏から霊が入ってきているかもしれない…そう考えてしまうとかなり怖くなってきて、部屋中をウロウロせずにはおれませんでした。私を知っている人ならわかるかもしれませんが、それ以来私はよく金色のネイルをしています。教えていただいた厄除けの色です。ちなみに厄除けの御守も初詣のついでに買いましたし、塩も一時期持ち歩いていました。我ながらビビりすぎ。

↑の皇帝塩がオススメらしいんですが、「高いから伯方の塩でもいいよ」と言われました(笑)。

いろいろありましたが、とても楽しい体験ができたと思います。霊視中には「無駄なお金を払ってしまったか」とも思いましたが、そうした疑念は一気に恐怖へと変わったので良かった(?)です。悪い内容はともかく、良い内容はぜひとも当たっていてほしいなと思いました。ちなみに友人によると、現在、この霊能師さんの予約は1年近く先まで埋まっているようです。

2021.5.25追記:この霊能師さんに関して反響多くいただいているのですが、完全紹介制であることや予約にこちらの個人情報の開示が必要な関係で、紹介は実際の友人およびレッスンのお客様に限定しております。残念ではありますが、お問い合わせをいただいてもご紹介できませんので、ご容赦ください…。

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