宵のつれづれシリーズ、仕事帰りの電車の中で読めるくらいの軽い記事、というコンセプトではじめたシリーズです。今回は第75回、満足な豚です。
満足な豚
前回の続き。
監督関係がいるチームでは、選手による監督の追い出しが起こることがあります。
なぜこうしたことが起こるのか。これは監督関係の2タイプ間で、特有の情報の交換が生じたことによる結果なのですが、まあひとまずその情報の交換の例を紹介していきましょう。
監督関係では、監督のいちばん大切なこと(=主導する機能)と、選手の最大の弱点(=脆弱な機能)の間で情報が交わされます。
これはつまり、「監督はいつも選手を間違っているとみなす」ということであり、逆に言えば「選手はいつも監督から間違っているとみなされる」ということです。
いちばん大切なこと(と監督が思っていること)を、選手は何も守れていない。……そう考えて監督は、選手に人生でいちばん大切なことは何か、教えてあげることで管理しようとします。
監督SEIと選手EIEの場合は、内向感覚(からだの感覚)の「管理」が発生します。
人生の悦びを何よりも重視する監督SEIと、いつも不快に苛まれている(それどころか不快を自ら増やしているように見える)選手EIE。

みんな…練習が全然足りてないよ…もっと本気出せるはず。今日ももう少し残って練習しないと…、今のレベルじゃあ本番も――!!
思い詰めたような表情で騒ぎ立てる選手EIE。このままではチーム全体が不快まみれになってしまう。監督SEIはそういう危機感から、選手EIEに快楽を教え込み、それによって不快を増やす活動を制限しようとします。

もう今日は遅いしいいよ、帰ろ。焦ってもいいことないよ。みんなも無理しないで♪

でも本番が――

みんな疲れてるってわからないかな~? EIEちゃんだってお疲れな顔してるよ~?
選手EIEは、監督SEIからの低い評価(「あなたは間違っている」)を感じ取り、叱られた子どものように一気に委縮してしまいます。

……。

今日もご飯食べてないんじゃない? クッキー食べる?

実はね。ありがとう。……う~ん美味しい♡ SEI、天才♡

ほんと、美味しすぎて、豚になりそう……。
選手EIEはクッキーをほおばりながら、J. S. ミルの有名な比喩を思い出して、また思い詰めた顔をするのでした。
※ひよこちゃんのセリフはイメージです。




