仕事帰りの電車の中で読めるをコンセプトにした、宵のつれづれシリーズ第7回目。今日も前回前々回に続き、IEIの喧嘩計画というタイトルで。
IEIの喧嘩計画~理想と現実~
同居人LSIに「あなたの世界観っぽい」と言われて聴き始めたカネコアヤノ。代表作の『ロマンス宣言』が、良すぎて、未だにずっと歌っている…。どんだけ好きやねん。
前回、前々回に引き続き、特に気に入ってる2番のサビ前~サビ。
嵐の夜にこじれたロマンス
けれど どんなに酷くされたって
次の日には優雅にお湯を沸かして
カネコアヤノ『ロマンス宣言』(作詞:カネコアヤノ)
コーヒーのむのよ
わたしの理想の喧嘩計画
前回と前々回で、「喧嘩計画」って内向直観と外向倫理っぽいなー、なんかIEIっぽいかもなーみたいな話をしました。が、さらにIEIっぽいなーと思うことがあるので今日はそれだけ最後に触れたい。
優雅なコーヒータイムのくだり、IEIの規範の機能×内向感覚らしさを感じる部分があります。
規範の機能は、「守るべき規範」を理解し、「あるべき自分の理想」を演じる機能ですが、苦手意識も強い機能です。
また、内向感覚は、身の回りの生活において「快」を増やして「不快」を減らすことに関わるものでした。
朝の優雅なコーヒータイムなんて最たるものですよね。コーヒーはいい香り(快↑)、眠気はスッキリで(不快↓)。
そして規範の機能×内向感覚のIEIは、まさに快適な生活をする自分を理想とするタイプ。「一切の不快から解放されていて、ちょっとした快を作り出せる自分」を演じます。
でもこれは、歌詞が言っているように「理想」にすぎません。そのことは、この曲の大サビにもはっきりと表れています。
お湯を沸かして コーヒーのむのよ
同上
おしゃれな出窓に 花を飾って
大きな犬の横にはロマンス
そろそろロマンスどうにかしなくちゃ
ここではさらに「おしゃれな出窓」「花を飾って」「大きな犬」…と快適な生活について語られてはいるのですが、まったく具体性がないのがおわかりでしょうか。
「おしゃれな出窓」とは具体的にはどんなの? 「花」はどんなやつ? 「大きな犬」ってたとえば??? 犬種は???? ?? すべてがあいまいです。
でもこの具体性のないぼんやりとした描写が、逆説的に、この生活が理想にすぎず、現実には存在しないことをはっきりと描いている。
最後の「大きな犬の横」の「ロマンス」。これは素直に読めばパートナーのことですが、「そろそろロマンスどうにかしなくちゃ」からも、現実には、快適な生活にあるべきものがないと感じているように読めます(規範の機能が、苦手意識を感じやすい機能であることを思い出していただければと思います)。
今日はこんなもんで終わります。ちょっとソシオニクスの話少なかったかしら。