宵のつれづれシリーズは、仕事帰りの電車の中で読めるくらいの軽い記事を書きたいなということではじめたシリーズです。今回は第68回、「あんたのため」は嘘なのかです。
「あんたのため」は嘘なのか

あなたのためを思って言ってるのよ!?!?
ガミガミと叱られたあとで、こんなセリフでとどめを刺されたことありますか? 私はあります。
関西では「あんたのためや!」って言いますけど、この「あんたのため」というフレーズ、インターネット・ランドを眺めているかぎり、めっちゃ恨まれているフレーズだよなと思います。
たとえば、こんな言説をよく見かけます。

『あなたのため』なんて言う人は信用してはいけない。本当は自分のために言ってるだけ。すなわち嘘である。
私もそういうふうに思っていたのですが、でも最近「それは本当に嘘なのだろうか…?」と思い始めました。
というのも、私は最近、ソシオニクスのイドブロックにハマっているんですけど、これが関係してそうじゃないかと思ったんです。
イドブロックとは、みんなの安全のために発動する防衛本能のようなものです。
前回も似た話をしていましたね。たとえば、イドブロックに外向論理をもつタイプ(例:LSI、SLE)は、みんなの安全のため、群れの存続のために、みんなで働ける環境を整えようとするタイプなんでした。
で、話はここからなんですけど。もしイドブロック×外向論理のタイプの所属する「みんな」の中に、1人だけ頑なに働かずダラダラして、他の人の頑張りにタダノリしているフリーライダーを見つけたとしたら。

HANA良すぎるわぁ~。みんなそれぞれキャラが立っててサイコ~で~。MAHINAがさ~最年少を完全に武器にしててサイコ~で~、しかもさ~…

あんた喋るのはいいけど、洗濯機回したんか? 今のうちに回しちゃいな。
※↑は私が1人ダラダラしていて怒られている場面の再現(※弁解ですが私は毎日洗濯しています)
前回言ったように、そのタイプは「このままでは群れ全体が危険に晒される」と判断し、言葉で伝えたり行動でリードしたりして、なんとしてでもそいつを働かせようとするでしょう。
だから相手に対してイドブロックが叱るとすれば、その理由は、まず何より「みんなのため」です。
「みんな」には当然自分が含まれるので、叱る理由は「自分のため」でもあります。
しかし同時に、頑なに働かない人もやっぱり「みんな」に含まれています。ということは、「あんたも働け!」はやっぱり、「あんたのため」でもある。
うちの場合は、同居人が私に「洗濯機回せ」と叱るのは、同居人のためでもあるし、私のためでもあるということ。

すぐ洗濯機回さなかったらカビはえるやろ、健康に悪いし、お気に入りの服もダメになるし。今やっといたら後で楽になるよ! あんたのために言ってんのよ。

まぁね~。
それがもっと大人数でも同じこと。「あんた」を「みんな」の一員だと思っているからこそ、「あんたのためや」が出てくるということ。「あんたのため」は半分だけ本当、ということ。
恨みを募らせるのは簡単なのですが、正直あんまいいことありませんからね。むしろ自分は、何らかのフリーライダーになってはいないだろうか? 誰かの何かにタダ乗りしてはいないだろうか? と考えるほうが生産的だろうと思います。
とはいえ、↑であげた我が家の例はだいぶ平和な例です。もっと不快な「あんたのためや!」もありますし、多くの人が恨みを募らせている「あんたのため」は少なくとも、↑の例みたいにスムーズに受け取れなかったはずで、「まぁね~」とも絶対に思えなかったはず。そのへんについては次回にでも。
※ひよこちゃんのセリフはイメージです。