いざよいブログ

MBTIと混同されているソシオニクスの誤解を解くためのブログ。

「恩恵関係」、ああもうだから言ったのに!

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今日は恩恵関係Benefitを訳します。これまで「先生と生徒の関係」と訳していたものがこれにあたりますが、一旦こう訳すことにしました。「先生」「生徒」という訳についてはそのままですが、また変わるかもしれません。

 

相性一覧:

恩恵関係とは

モデルA

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生徒beneficiaryの①主導する機能が、先生benefactorの⑥動員する機能にあたるため、生徒は先生が気づいていない問題点に気づき指摘します。先生はその指摘を面白く聞きますが、生徒の②創造する機能が先生の⑦無視された機能にあたることもあり、部分的にしか価値を認めません。

また、先生の②創造する機能は、生徒の⑤暗示される機能(盲点の機能)にあたります。そのため、先生の価値観は生徒にとって魅力的です。先生はというと、生徒が気づいていない危険(盲点)から助けてあげようとします。しかし先生の①主導する機能が生徒の⑧証明する機能にあたるために、生徒は先生の助言を耳にとめません。

恩恵関係のペア

左:先生→右:生徒の流れで、

  • SEI(ISFJ)→LSI(ISTP)→ILI(INTJ)→EII(INFP)→SEI
  • ILE(ENTP)→EIE(ENFJ)→SEE(ESFP)→LSE(ESTJ)→ILE
  • SLI(ISTJ)→ESI(ISFP)→IEI(INFJ)→LII(INTP)→SLI
  • IEE(ENFP)→LIE(ENTJ)→SLE(ESTP)→ESE(ESFJ)→IEE

※()内はMBTI表記

恩恵関係①(by Bukalov, Boiko)

クアドラの垣根をこえて、社会経験あるいは社会的に重要な情報を送り届ける水路、これが恩恵関係です。この関係は、社会の発展にとって必要です。面白いことに、この関係では、両者は相手のことをとてもすばらしい人だと思います。生徒は先生のことをとても興味深い人だと思うし、先生はというと、自分ができないことをできる生徒の才能を面白く思います。しかし、見方は非対称です。生徒は先生の言うことには耳を傾けますが、先生は生徒のことを、面白くはあるが十分説得力のある人ではないと思っているのです。こうして、先生は生徒に対し助けてあげようとしたり、説明してあげようとしたりするでしょう。一般的には、この関係は楽しいし仲良しです。しかし、生徒が興奮しすぎているときには、すぐに先生から距離をとります。生徒がこういう行動に出るのは、既に決めている目標を果たすことから気がそれないようにするためです。先生はこういう行動を見ると「あの子どこ行ったの?なんで離れていったの?」と純粋に驚いてしまうかもしれません。社会的な見地からいえば、恩恵関係はとても大切です。監督関係と一緒で、この関係は情報を伝え合うだけではなく、クアドラ同士のつながりをつくることもでき、このため社会的発展の輪が形成されるからです。

恩恵関係②(by Gulenko)

生徒から先生へ―関わるための一体化

生徒にとって、コミュニケーションはいくらか緊張するものの、この関係はかなり魅力的です。というのも、生徒は、先生の中に自分の計画やアイディアを実行してくれる存在を見るからです。そのため、生徒は、先生の仲間として信用してもらうための方法を模索し始めます。これは、先生につけ込む隙があったり、気が散っていていたりまったりしていたり、自分の行動をうまくコントロールできていなかったりするときだけ成功します。先生が「催眠」から覚めると、どことなく利用されていたことを理解し、その後、この関係は冷却期間に突入します。自分の影響力が弱まっていることに気づくと、生徒は先生ともっと一体化できるよう対策を練り始めます。こういうわけで恩恵関係のコミュニケーションは鼓動のような性質をもちます。

先生から生徒―うんざりした一体化

先生にとって、恩恵関係のコミュニケーションは活性化関係ほどは面白くありません。先生は生徒の意見や行動に批判的になります。沈黙の間、先生は不快感を覚え始めます。時々、生徒が何か無視しているかそれとも気づいていないかのように思われるので、力ずくで生徒に問題に気づかせようとし始めます。先生はこのような生徒に手を貸すという努力はしないので、むしろ生徒のほうが先生を誘って、あれこれと計画を提案することになるでしょう。関係が築かれるかどうかは、生徒が先生にうまいこと興味を持ってくれるかどうか次第なところがあります。一度先生が生徒のことを実に価値のある情報を教えてくれる人だと確信すると、先生は自分の大きな利益のためにその情報を使います。

関係性の2つの特徴

恩恵関係は両者ともが外向することになります。安定したビジネス活動のためにはこの関係を選ぶべきです。恩恵関係にあたる2、3人のグループは、自分たちはとても生産的な仕事をしていると証明し、事業を展開させてきました。家族生活については、この関係は夫婦両方がいろんなコネをもった共同事業を行っている場合に限って、おすすめします。

お互いに言葉で連絡や計画を伝え続けなければ、2人とも混乱してしまい、パフォーマンスが落ちます。活動が勢いを増しても混沌とはしないはずです。計画がダメになることはとても痛ましい損失として経験されます。

先生から生徒へ:生徒にとって、先生に能力があることは前提です。つまり先生は、生徒に行動を提案するときには、その本質と必要性をはっきりと納得がいくように説明できなければいけません。先生の要求は、事実に裏付けられているわけではなく、感情や野望にしか基づいていないのですが、そういう要求をしたところで、この関係は発展しないのです。意見を具体的に説明し、組織化する技術を向上させ、まじめに状況を見極めてはっきりと指示を出せるようにします。単に熱意を見せて明るい展望を保証するのでは、生徒を支配することはできません。支配は、この手の問題を解決する際、状況と経験に関する実証的な知識に基づいて行われます。

生徒から先生へ:もっともドラマティックな関係で、とても矛盾した感情を感じさせます。この類の関係に陥ると、人は感情の波を経験します。この感情の波は自分の創造力を目覚めさせますが、同時に自分の成果を客観的に見積もれないため、苛立たしいミスをも生じさせます。不安と暗い予想のある関係ですが、同時に想像力を高め、自分の才能に対する自信を引き起こします。生徒は今の先を行く非常に革新的で独創的な解決策を生み出せるかもしれません。 

先生はいつも活動していなければなりません。先生は動き続け、活発なペースで仕事に打ち込まなければいけません。生徒は強い感情の動きを経験します。生徒の状態は劇的に表現されます。希望は失望に負け、喜びには苦しみが入り混じります。

生徒は先生の問題解決策を見習おうとし、先生のほうは自分の秘訣を生徒に伝授することにまんざらでもありません。こうして時が経つと、2人はどんどん一体化していきます。同時に、この2人は激務になります――それによって消耗し、パフォーマンスは大いに低下します。この関係は、実世界における売り手と買い手にほとんど置き換え可能です。

一体化のすすめ

 

このような恩恵関係の2人は一体化したがりますが、周囲から孤立して働くべきではありません。恩恵関係が2人の世界に閉じこもったとしたら、生徒は(力関係を逆転させるために)先生の行動に反抗し始めるでしょう。あなたが生徒で力関係を逆転させたければ、珍しいアイディアや提案によって先生の気を引きつつ、でもすぐには評価を求めず、ただ遠ざかるようにしましょう。先生は、あなたの提案についてじっくり考え、快く受け入れてくれます。

恩恵関係では、お互いに自分の信頼を落とさないようにしましょう。約束したことは実行しましょう。予定や活動をドタキャンしてはいけません。あらかじめ自分の意向を話しておきましょう。先生が生徒に要求をするためには、生徒に合わせ、善意を示し、生徒のお世話をしようとするべきです。こうした状況が快適になるためには、お互いに心理的な努力をすることです。生徒は出来事をオーバーに語らないようにすべきです。過剰な説明をしないように導いてくれて快適さをもたらしてくれる第三者を通じて、感情は表現するのが良いです。

恩恵関係③(by Gulenko, Molodtsev)

この関係は非対称な関係です。自分が相手に関わるのと同じようには、相手は自分には関わってこないということです。一方は要求を伝える人、あるいは恩恵を施す人(先生)と呼ばれますが、この人は、恩恵を受ける人(生徒)と呼ばれるもう一方のことを自分より下位の存在と見て、過小評価します。反対に、生徒は先生のことを興味深くて意味のある人だと思い、最初は過大評価します。

生徒は先生のことが大好きになり、先生の行動、物腰、自分がしたくてたまらないことをすんなりできる才能、考え方、そして創造的なやり方をすばらしいと思うことがあります。先生がいると、自分でもよくわからない理由から、生徒は知らず知らずのうちに先生に気に入られようとしたり、先生を喜ばせようとしたりし始めます。これは小さいことから始まって、だんだん大きくなっていきます。傍からは、まるで生徒が先生に対してなんとしてでも自己弁明しようとしているように見えます。

同時に生徒は先生の行動がどこか苛立たしくなってきます。先生は人前で注目を集めて良い格好するために自分の特徴を前面に押し出しているのですが、それが生徒の無意識にまでしみこんでいき、生徒はぼんやりと、先生の行動をとても不自然にさせている条件を取り除きたいと望むようになります。また、生徒は、実際何が自分のすべきことなのかに気づいていないかもしれません。なされた要求は個人的なものではなく社会的な性質のものであり、すなわち、2人が所属する集団の問題を取りまいているものなのです。

傍目には、恩恵関係は順調で衝突も起こらないように見えます。この関係を始めるのはほとんどいつも先生側です。生徒側は、心の奥底では、先生は自分のほうへ前向きな気持ちを向けていると感じています。先生はできる限り生徒を励まし支えようとします。最初の段階だけは、互恵的なフィードバックが起こります。さらに進むと、生徒が先生と平等な条件のもと関係を築こうとしますが成功することはなく、生徒から先生への接触は良いものにはなりません。先生は、残念なことに、生徒の話を聞き入れないのです。この結果、生徒は先生のもとを去り、距離を置くようになり、時々、先生よりも得意な自分の①主導する機能を使って、先生に小言を言い始めることさえあるかもしれません。こうしてこの関係は、互恵的な行動が欠けた、後援(保護)関係とも呼ばれることになるのです。時が経つと、生徒は完全に先生を軽視し始めるかもしれません。要求が社会的なものとして完全に理解されたとき、こうしたことが起こります。

まとめ

  • 先生が生徒を一方的に保護しようとする非対称さを持つ。
  • クアドラ同士をつなげるという意味で社会的には重要。
  • 信頼を落とさないよう努力し、第三者を交えるべし。ビジネスがおすすめ?

「先生と生徒」、さらには本文中の「売り手と買い手」という表現から、塾講師やってた頃の、全然こっちの言うこときかない生徒(あるいは保護者)を想起しました。「上級のドリルはまだ早い」と伝える先生(サービスを提供する側=売り手)と、聞く耳を持たない生徒(サービスを受ける側=買い手)です。生徒が、全然自分の意見を聞き入れてくれない!と怒り、先生がもう勝手にしろ!と言わんばかりに上級ドリルを与え、案の定うまくいかず、だから言ったのに…と呆れる…そんな光景が目に浮かびました。本文に、先生は事実に基づいて説明をしないと生徒をコントロールできないとありました。この例でいえば、先生が「なんで上級ドリルはまだ早いのか」をちゃんと事実に基づいて説明しなければ、生徒は納得しないのです。生徒は、今上級ドリルをやるリスクにはちっとも気づいていないのですから。