心的機能の二項対立①~外向N/内向S、外向N/内向S~ | いざよいブログ
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心的機能の二項対立①~外向N/内向S、外向N/内向S~

その他

MBTIは「4つのアルファベットだけで性格の全てを説明するもの」という誤解を受けることがあります。本当はそれだけじゃなくて、もっと奥深いものなのだということを、外向機能/内向機能について紹介することで明らかにします。

4つのアルファベットだけじゃない!

私がMBTIを知ったのは、インターネットに跋扈する「MBTIもどき」からでした。簡単な質問に答えるだけで自分の性格がズバリわかる!と時々SNSで話題になるアレです。MBTIは、一見とてもわかりやすいのです。だって2択に4回答えれば4つのアルファベット、つまり自分の性格がわかってしまうんですから。

しかし書籍で学んでいくにつれて、そのような「MBTIもどき」のために、MBTIが誤解を受けているということがわかりました。MBTIは、確かにE/I、N/S、F/T、J/Pという4つの二項対立からタイプを割り出します。しかし、それはあくまでもタイプを割り出すための簡単な方法。その背後には、より複雑で奥深い理論があるのです。それを抜きにMBTIは語れないはずなのです。

そのMBTIの奥深い理論とやらは、タイプダイナミクスと言います。細かい説明はここでは省略します。公式が出している入門書をあたってください。

外向機能と内向機能

今回はタイプダイナミクスの中の一部だけを取り扱います。MBTIにおけるN、S、F、Tという機能はさらにそれぞれ2種類ずつにわけられるという考え方があります。それが、外向機能内向機能という考え方です。

文字通り、外向機能は自分の外側に向けられる心の機能です。人と話したり外の物事に目を向けたりするときに作動します。外向機能には、外向N(Ne)、外向S(Se)、外向T(Te)、外向F(Fe)の4つがあります。

他方、内向機能は自分の内側に向けられる心の機能です。1人で考え事をしているときなどには、この内向機能のほうが作動します。内向機能には、内向N(Ni)、内向S(Si)、内向T(Ti)、内向F(Fi)の4つがあります。

二項対立、機能の表と裏

今全部で、外向N、外向S、外向T、外向F、内向N、内向S、内向T、内向Fの8通りの機能があることを説明しました。さらにこれらは、N/S、F/T、そして外向/内向という3つの二項対立から、以下の4つの二項対立に整理し直すことができます。

  1. 外向N/内向S
  2. 内向N/外向S
  3. 外向F/内向T
  4. 内向F/外向T

ここで注意したいのは、二項対立とは、片方を選んだらもう片方は選ばない、ということです。N/Sという二項対立は、Nを選んだらSは選ばないということです。さらにこの考え方が、上の1.~4.にもあてはまります。1.の外向N/内向Sの例でいえば、ある人が外向Nを働かせるとき、内向Sは働かせないということです。今回と次回にかけて、これが具体的にどういう意味なのかを、自分なりに説明していこうと思います。

1. 発想の外向N/蓄積の内向S

外の物事と接しているときに見えない類似性に気が付くのが、外向Nのはたらきです。あれが好きな人はこれも好きだろう!こういう場面ではああいうことが起こるだろう!あの事態はこの事態と似ている!と、一見全然違うように見える事柄同士を結びつけ、新しい発想を生むことができます。

この逆は、知識や経験から考えるというものです。すでに知っていることを積み重ねるこのはたらきが、内向Sということになります。あの人はあれが好きだと言っていた、あの時はああだった、というように個別の事柄に目を向けていきます。

この2つの機能は二項対立です。つまり片方を使っているときには、もう片方は無視されています。次から次へと新しいひらめきが舞い込んでくる場面(外向N)では、事実に即して検証すること(内向S)は難しくなります。逆に、事実を正確に把握しようとすれば(内向S)、他との類似性を見出すこと(外向N)は難しいものとなるでしょう。

外向Nばかり使う人は内向Sはおろそかになります。ENTPやENFPは外向Nには自信がありますが、内向Sを考慮できず苦労します。逆に、内向Sを使えば使うほど外向Nはおろそかになります。ISFJやISTJは内向Sには自信がありますが、使い慣れていない外向Nでは苦労するでしょう。この外向T/内向Fという二項対立で考えるタイプは、以下のようになります。

外向N←EN*P IN*P ES*J IS*J→内向S

2. 観察の外向S/想像の内向N

見たり聴いたり味わったりすることで、物事をありのままに把握しようとするのが外向Sです。この人は今こうしている、あれは今ああなっている、というような今ここに関するものの見方です。たとえば、相手の気持ちを探る場面で相手の表情をよく観察するのは、このはたらきになります。

そのはたらきを裏付けるのが、物事の見えない側面を想像する内向Nです。この人は以前こうだったのかもしれない、あれは今後ああなるかもしれない、というように「今」よりは「今ここ」の外に焦点をあてる考え方です。相手の気持ちを探る場面では、表情の裏に隠された本音を見つけようとするでしょう。

①と同様、これら2つのはたらきは綱引きの関係にあります。音そのものを集中して聴かなければならない場面(外向S)では、その曲の背景に思いを馳せること(内向N)はできませんし、曲の成り立ちや演奏者のプライベートなどを想像しているとき(内向N)には、目の前で響いている音楽(外向S)は全然耳に入ってこないものです。

外向Sが強いESFPやESTPは、内向Nを無視しがちです。内向Sが強いINFJやINTJは、外向Sを無視しがちです。普段なじみのない機能に苦労するかもしれません。この外向T/内向Fという二項対立で考えるタイプは、以下のようになります。

外向S←ES*P IS*P EN*J IN*J→内向N

続き:

2018/08/29追記:内容を大幅に更新しました。

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