仕事帰りの電車の中で読めるをコンセプトにした、宵のつれづれシリーズ。今回は第24回目、かわいそうなIEIです。
かわいそうなIEI
前回、SLEの支配欲という記事を書きました。
その中で、ベータ・クアドラは、支配されることへの恐怖心が強いのだというストラティエフスカヤの記事も引用しました。そしてベータ・クアドラのSLEは、自らが強さを手に入れることによって支配に抵抗し、その恐怖に打ち勝つのだと。
ベータ・クアドラ……強さ……
そう聞くと、少し疑問に思う方がいるかもしれません。
でも同じベータ・クアドラでも、IEIは「強い」タイプって感じしないけど…。
確かにIEIは、どちらかといえば優柔不断であったり押しに弱かったりします。弱いこともあまり隠しません。少なくとも「強そう」とは言い難いタイプかもしれません。もちろん体格などの面では個人差がありますので一概には言えませんが…。
強さを求めるSLEと、弱さを隠さないIEI。同じベータ・クアドラかつ双対関係とはいえど、一見するとこの2タイプにはなんの共通点もなさそうに見えます。
ですが、ストラティエフスカヤにならえば、IEIの弱さとSLEの強さは似た者同士です。
IEIの弱さは、SLEの強さと同じ原理です。SLEが余計なものを何も明け渡さないよう自分を強く見せようとするなら、IEIは、自分が二度と利用されたり「カモ」にされたりしないよう自分を弱く見せようとします。ここでは、同じ「『パシリ』コンプレックス」(ベータ・クアドラ・コンプレックス)が、ただ直観的な解釈においてあらわれているのです。
Интуитивно-Этический Интроверт (“Есенин”) | Соционика от Стратиевской
SLEは、支配されないようにするために強さを見せるのでした。支配しようとするヤツに力で負けないように。
それと同じで、IEIは、支配されないように弱さを見せるのです。
弱さを見せたら、余計に支配されてしまうのでは?
そうです。弱い者は利用・搾取の格好のターゲットになります。それでもIEIは、弱さを隠しません。
それはIEIが、自分の弱さに需要があると理解しているからじゃないかなーと思います。ちいかわが流行っていることからもわかるように、自分を脅かさない弱い存在がかわいそうな目に遭っているのに胸を打たれる人は多いですからね(※言い方よ)。
なのでIEIは、弱さを利用して支配から逃れる道を選びます。何もできない、何も持っていない、つまりこれ以上奪うことができないかわいそうな子を演じることによって、自分に利用価値がないことを示し、最初からターゲットにならないようにするのです。
いやぁ~ごめんね…君にお金渡せたらよかったんだけど、あいにくボクもガス止められるレベルで金欠で、冷水でシャワー浴びてるくらいだからな…(笑)。お役に立てず申し訳ない…。
いちおう注意。前回のSLEの支配欲もそうだし、今回のIEIの「弱いフリ」もそうですが、どちらもベータ・クアドラ・コンプレックスという支配されることへの恐怖に反応してあらわれる行動です。なので、恐怖のない平和な環境で暮らしているときは、そんなにこの行動は目立たないかもしれません。
が、その支配されることへの恐怖が強まれば強まるほど・・・
借金返さないといけないんだよね…家庭複雑だし誰にも頼れなくて。私バカだったな、なんであんな人にお金借りちゃったんだろ。…ごめんね、でも君と話してたら元気出てきたありがと! …えっ! でも出してもらうなんてそんな悪いよ……ううん、500万なんだけど…
なんか最近こんなニュースを見たような気がしないでもない。ここまではさすがに…だとしても、明日は我が身、行動には十分気をつけられたしですね。
※ひよこちゃんのセリフはイメージです。