ちょこちょこ訳してきたタイプの関係もこれでラストです。今日は鏡像関係Mirrorです。また後日、全関係をまとめた記事を公開しようかなと思っています。にしても学ぶことがたくさんあったような気がします。関係はソシオニクスの要ですからね。
当記事は古い記事であるため、内容や訳の誤り等がある場合があります。当面はアーカイブとして残しておきますが、以下の新記事をご覧くださいますようお願いいたします。
新記事:
相性一覧:
鏡像関係とは
モデルA
一方の①主導する機能が、他方の②創造する機能にあたります。モデルAを横に並べたとき、まるで鏡に映ったように対称になるのがポイントです。
鏡像関係のペア
- ILE(ENTP) & LII(INTP)
- ESE(ESFJ) & SEI(ISFJ)
- SLE(ESTP) & LSI(ISTP)
- EIE(ENFJ) & IEI(INFJ)
- SEE(ESFP) & ESI(ISFP)
- LIE(ENTJ) & ILI(INTJ)
- IEE(ENFP) & EII(INFP)
- LSE(ESTJ) & SLI(ISTJ)
※()内はMBTI表記
鏡像関係①(by Bukalov, Boiko)
自分の(モデルAの)左側の機能が、相手の右側の機能と一致します。そのため、まるで自分の心理が鏡に映っているのを覗き込んでいるかのようです。しかし、この鏡は歪んでいるように見え、相手を正してあげようとしたくなります。この関係では、サブタイプが一致していることが重要です。2人がどちらも①主導機能をサブタイプに持つ(例:Ne-IEEとFi-EII)か、どちらも②創造する機能をサブタイプに持つ(例:Fi-IEEとNe-EII)ときには、順調にいきます。2人とも①主導する機能をサブタイプに持つときは、大抵、自分の②創造する機能については相手に委ねます。そのおかげで相手を正してあげたいという衝動はやわらぎ、衝突する可能性は低くなります。この鏡像関係には価値があります。なぜなら、自分が見えている世界の裏面を相手は見ていて、異なる2つの面から世界を観察することができるからです。同じクアドラの他のタイプ(IEEとEIIならSLIかLSE)を呼ぶと、鏡像関係はめざましく向上し、さらにクアドラが全員集合して、2種類の双対関係と2種類の活性化関係がつくられると、ますます向上します。
鏡像関係②(by Gulenko)
混乱した議論
鏡像関係の相手と意見交換をするのは、大体、面白く公平です。しかし、知性をきそって競争が拡大する感覚もあり、時が経つと一方が競争から離脱します。議論が続くと、しばしば、議論が議論を呼ぶような状態になり、わけがわからなくなってしまいます。しかし、相手の意見への関心は消えることがないので、お互いに相手を元々の立場に戻させます。共同で仕事をすると、互恵の度合いが大きくなっていくのがわかります。
関係性の2つのサイン
鏡像関係は、2つの真逆の視点から問題の質を分析するので、洞察を深めて根本的な問題に向かうことができるようになります。そのため、鏡像関係は1対1の議論では有益な関係です。しかし公の場ではこの関係ではむしろ競争しがちという不健康な傾向が垣間見えるかもしれません。
鏡像関係は正確さと明快さを求めるので、鏡像関係にとってはすべてが分析する対象になります。お互いを論理的に分析したり自分たちが得た全情報を分類したりする傾向をもつことさえあります。したがって、鏡像関係はお互いについての面白い発見をたくさんしたり新たな才能がたくさん解き放たれたりします。この関係においては深い内省が促されます。鏡像関係はいつも相手に対して「コインの裏側」、つまり相手が気づかなかった問題の側面を強調します。こうして、不完全なイメージは満たされて完全になり、専門的で知的な作業を一緒に行うと良い結果がもたらされます。2人は真逆の側からの主張を考慮するのですが、それにもかかわらずそれぞれが自分の意見にこだわります。こういうときには意見が融合されることはなく、ただそれぞれが相手の提案や見方をタダでもらって自分の見方を向上させるだけであり、時が経つにつれて見方の違いは大きくなっていきます。しかし、実際に鏡像関係がもたらす「支給額」は、むしろ安いのがふつうです。
鏡像関係はしばしば情熱が欠けています。時間とともにある種の秩序やシステムが築かれ、それを身の回りのすべてのことに拡張させようしながら生活する傾向があります。こうして、鏡像関係が長期間続くと、相手の反対する理由の軌道をおおかた簡単に予測できるようになります。また、この関係は、既存の生活リズムを変えなければいけない状況では、急激な変化に敏感になります。新しい事態に移り変わることはめったにあることではなく、考え抜いて結論をくだす必要があります。こうした後は、古いシステムは捨てられ、そのかわりとして新しいシステムが受け入れられます。古いシステムと、新たに強いられる秩序と契約の狭間で状況も頭の中もごちゃごちゃになり、鏡像関係はかき乱れ、鏡像関係の基盤となっている性質、つまり分析に向かう傾向は、いつのまにか蝕まれてしまっています。
仲良くやっていくアドバイス
鏡像関係では、契約を交わしたり秩序を作り出したりするのがベストです。たとえば、今起こっている家庭内での問題や雑用を処理してしまうために計画を立てるといいでしょう。一度こうした契約が結ばれたらそれは変えないほうがいいです。さもなければ混乱してしまいます。鏡像関係は1対1のコミュニケーションがおすすめです。外的な影響や部外者は避けるようにしてください。自分にとって大事な出来事はすべて、論理的に分析してください。このような出来事については、総合的に見たときに一致していることがとても大事です。細部については意見の不一致があるかもしれませんが、危険なことではありません。
感情や力をもとに関係を解決しようとしてはいけません。相手に違う視点を持つ権利を認めてあげましょう。優しい言葉や誉め言葉、そして相手に小さな親切をしてあげることで、自分の前向きなところを表現しましょう。
鏡像関係は自立を必要とします。自分で食べていけるように努力し、お金は借りないようにしましょう。家具は控えめにしかし自分の給料で取り付けるのがベストです。この手の関係は、クロスワードパズルを解いたり教育番組を一緒に観たりというような、知的な活動を一緒に行うことで強まります。
鏡像関係③(by Gulenko, Molodtsev)
鏡像関係は、興味や趣味を分かち合うことで成立する友情にふさわしいです。鏡像関係でのコミュニケーションは多くの場合、寛大さと温かさに欠けているのですが、それにもかかわらず一緒に過ごすと楽しい良い友達であることが多いです。鏡像関係では、2人とも理論家(N型)か2人とも実践家(S型)かです。そのため、いつも共通の議題を見つけることができます。この関係は、一方とは双対関係でもう片方とは活性化関係になるような第三者がいると盛り上がります。
鏡像関係と呼ばれるのは、一方の言葉が他方の行動にたびたび映し出されるからです。つまり、一方が受動的に考えていることを、他方は能動的に現実化しているということです。しかし、この現実化は決して完全ではありません。鏡は歪んでいるので、2人は自分の視点から相手の行動を正します。こうした理由から、混乱し、粗探しをしたり叱ったりすることすらあるかもしれません。それぞれが相手の行動を直そうと試みるのですが、その試みはたいてい失敗に終わります。コミュニケーションの言語的な側面を考えると、鏡像関係は建設的な批判の関係と呼ぶこともできるでしょう。それぞれ、同じ問題の片側を見ているので、鏡像関係の相手がその問題について考えていることを聞くのはいつも面白いです。共同作業をしている最中は、お互いに正し合ったり説明し合ったりしますが、相手の批判はたやすく理解でき、建設的だなと思うことが多いです。
この鏡像関係ではサブタイプが強い影響を与えます。一方が合理型の(=F/Tが強い)サブタイプをもつとき、鏡像関係を安定させるためには、他方は非合理型の(=N/Sが強い)サブタイプを持っているのがベストです。両方とも合理型のサブタイプあるいは非合理型のサブタイプのときはうまくフィットせず、チームワークは温度差のせいで難しいものとなります。家族生活は望ましくありません。この2人は、小さな目標は一致しているのですが、グローバルで広範囲にわたる長期的な目標は、一致しないことが多いからです。こうした目標を達成する方法も違っています。この根拠は、①主導する機能のミスマッチ、つまり合理と非合理がぶつかってしまうということです。
まとめ
- 自分が見ている問題の裏側を相手は見ているため、意見交換は面白く建設的。
- 自分の視点から相手の行動を正そうとして競争に発展しがち。
- 関わるときは1対1か自分か相手の双対を呼び、相手の視点を認めるべし。
実は鏡像関係にあたりそうな知り合い(EIE)をほとんど知らなくて、強いて言えばよくお世話になっていた美容師さんと、あと学部時代お世話になった教授のうちの1人がそれっぽいかな…。いずれにしろリラックスできるとかでもないし、本文中にもあるように温かさを感じることもなくて、心のつながりというよりは、ロジックで連帯する感じがあります。美容師さんには「大切な人に恩返ししようと思うと頑張れますよ」、教授には「情報不足だから悩むんだよ。悩みは即行動して情報収集するしか解決できない」と言われたことがありますが、頑張れない・行動できない私には、どちらの言うこともまさに建設的な批判だと感じられます。まあどっちの意見にも反論が浮かぶのですが、それもまた鏡像関係的なのかもしれません。