“最高”の相性、またの名を「衝突関係」。 | いざよいブログ
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“最高”の相性、またの名を「衝突関係」。

巷では「MBTIのタイプの相性」として誤った情報が流布していますが(2017年当時)、これはMBTIとソシオニクスを混同した立派なデマです。しかもそこで最高の相性と言われている関係は、本当は衝突関係Conflictというもっとも難しい関係です。

当記事は古い記事であるため、内容や訳の誤り等がある場合があります。当面はアーカイブとして残しておきますが、以下の新記事をご覧くださいますようお願いいたします。

衝突関係とは

モデルA

監督関係のペア

  • ILE(ENTP) & ESI(ISFP)
  • SEI(ISFJ) & LIE(ENTJ)
  • ESE(ESFJ) & ILI(INTJ)
  • LII(INTP) & SEE(ESFP)
  • SLE(ESTP) & EII(INFP)
  • IEI(INFJ) & LSE(ESTJ)
  • EIE(ENFJ) & SLI(ISTJ)
  • LSI(ISTP) & IEE(ENFP)

※()内はMBTI表記

概要

衝突関係においては、一方の自我の機能が他方の超自我の機能と一致します。超自我関係と似ていますが、一方の①主導する機能が他方の④脆弱な機能に、②創造する機能が③規範の機能にあたる点で異なっています。(超自我は①が③、②が④と一致します。)このことからわかるのは、一方の言うこと(①)の多くが他方の弱い機能(④)へと伝わっているということです。そのため言われたことを難なく消化することができず、頭の中はぐちゃぐちゃになります。判断機能の違いもあって、超自我関係以上に手探りのぎこちない関係になっていきます。

この関係においては、2人はE/I、N/S、F/T全てが異なり、かつ①主導する機能が判断機能(F/T)か知覚機能(N/S)かという点でも異なっています。*1(例えば、ISTJとENFJ。E/I、N/S、F/Tが異なっています。そしてISTJの①主導する機能は内向Sという知覚機能で、ENFJの①は外向Fという判断機能です。)

遠く離れているとこの2人はお互いを面白いと感じるかもしれません。しかし、近づけば近づくほど、目的やものの見方において根本的な違いがあるということに気付きます。この違いはその状況でできるだけ正式で表面的な関わりをするということでしか避けることができません(この関係においてもっとも自然な心理的距離は、とても大きいのです)。関わりが避けられない場合には、お互いが最善を尽くそうとしているときでさえも、不快な誤解がいつも生じてしまいますし、ぎこちなく曖昧な感じになってしまうこともとても多いです。実際に衝突が起こると、理解してもらえないまま、同じことを何度も何度も言うはめになります。こういうわけで、そもそも何で衝突してしまうのかさえわからないというのがしばしばです。

この関係においては、長年知り合いなのにお互いの目的をちっとも理解していないということがありえます。このために、真の協力や親交が困難になっています。

仕事中やそのほかの正式なシーンでは、この2人は、相手に対して礼儀正しく友好的に振舞い、自分の好意を表現しようとするのが一般的です。こういった過程で、お互いの④脆弱な機能に従おうとするようになるのですが、これはお互いを疑い深く引っ込み思案にさせるだけなのです。これが⑤盲点の機能であれば、容易く従ってもらったり支援してもらったりするのでしょうが。

お互いの人生の目標がまったく逆方向を向いているせいで、2人はほとんど同じ関心を持つことがないものの、これらの関心について話し合うことで、ソシオニクス的な要素に邪魔されないような儀礼的な関わり方を学ぶことができます。

衝突関係①(by Bukalov, Boiko)

この関係間では、誤解が非常に起こりやすいです。機能の並び方の違いゆえ、相手がわざと気難しく振舞っていると考えがちです。同時に、この衝突関係は人を欺きます。離れているときは、相手の馴染みのない能力、ときには美しさや、言動や振る舞いの独特さに対して魅力を感じます。のちにそれは、困惑や見えない摩擦にとって代わられ、ついには決定的に衝突します。そのうえ、観察結果によれば、どんな理屈も説明もこの関係を向上させはしないのです。関係をよいものとする唯一の方法は、心理的距離を拡大することだけです。コミュニケーションは、どちらかの双対関係、あるいは活発化する関係のひとを交えてとるのがベストです。家族の場合は、この関係は精神的な病気を引き起こしがちです。相手から距離をとったあとは、相当ほっとします。外的な状況の圧力がある場合には、しばらくはお互いの違いについては忘れ、仲間として協力することができます。こうした関係は、衝突がしばしば抑えられ音を立てないからこそ危険なのです。内向型(I)は、限界に達するまで、衝突関係の相手に感情を表現したがりません。

衝突関係②(by Gulenko)

迷子の親切心

衝突関係の相手は、彼があなたに向ける馴染みない印象によってあなたの注意をすぐに引き込みます。もしあなたたちの活動範囲が離れているなら、コミュニケーションは全体的に礼儀正しく好意的なものになります。とりわけ、相手が問題を解決するときに使う方法は興味深いでしょう。より親密になろうとすると、相手の振舞いがわけわからないものと映り始めます。この結果、いらいらし、時間内に距離を置かなければ衝突が勃発してしまいます。

関係性の2つのサイン

意見の不一致は、第三者の介入によりさらに加速されます。衝突の根本的な原因―人格の根本的な部分が全く異なること―は、2人が1対1で関わるときには取り除かれないのですが(これは原則的に不可能)、ねじまげたり、一時的に無視したり、自分の中に吸収したりすることはできます。この衝突関係は、外部の影響から最大限距離をとったときにより適切に対応します。

事前に自分たちの好みや習慣、意図について話し合う仕組みに従う場合においてのみ、関係を維持することができます。この関係においては、決定的な衝突に発展するのを避けるためには、自分の感情を放出する捌け口を持たなければなりません。相手は、不安や些細なほのめかしを許してはくれません。この関係は、固定的で不変な生活リズムに基づいて確立されると安定します。

衝突関係の2人は、いつも理にかなっていることを表明し、はっきりした性格の違いがあるにも関わらずどうにか一緒にいようと努めます。しかし、これは自分のネガティブな感情を押し殺し続けた場合にのみ可能なことです。相手の助言は、自分をわざと惑わせる非論理的なものにうつります。仕返ししないよう、疑おうとしないよう自分を抑える必要があります。

衝突関係の相手は、どんな力強くオリジナルな新構想であっても邪魔をし、どんな「想像力の飛躍」もただちに失わせます。そのため、お互いに保守的で慣習的な価値へと向かうことになります。この関係は、すでに確立しており成功例のあるプロジェクトにおいてのみ、有意義に協力することができます。安定していて揺るがない環境を必要とするのです。お互いに失われゆくバランスを守ろうとし、相手の予期せぬ方向転換に難色を示します。新しいモードに切り替えることは非常に困難で、それをやろうとするとほぼ自然災害のようになります。そのため、全ての犠牲を払ってでも変化を拒み、今まで通りのやり方に固執します。全ての繋がりが切れたと確信してはじめて、新しい道に向かうことができます。

協力できるのは大体短い間だけ、互いがはっきりと前に進める間だけです。別の例では、違いが強固なものとなります。相手と親密になるとすぐに内的緊張を感じるのですが、時に外的な状況による圧力がそうしむけているのです。うまくいくときは、その緊張はお互いに冗談を交わしたりからかったりすることでほぐれるのですが、最悪の場合――待ち受けているのは口論、激しい衝突です。

仲良くやっていくアドバイス

この関係は常に内的緊張を引き起こします。2人は惹かれ合いますが、やがて不安と苛立ちを覚えるようになります。衝突関係の相手と協力していかねばならない場合は、自分たちの間での役割分担を厳密に行い、確固としたスケジュール/計画に基づいてそれを遂行しましょう。合理化することで、神経過敏や否定的な感情から距離をとり、蓄積されたエネルギーを家のことに使ったり、自分の欲求にゆっくり応えていったりできるようになるでしょう。

雰囲気を良くするためにユーモアやジョークを交えるのがおすすめです。しかし、注意してジョークは言い、決して皮肉のようにならないようにしましょう。一度、緊張が限界点まで達したと感じたら、相手から離れることがベストです。(例えば、別の部屋に行くとかです。)

2人の間には仲裁者を立ててはいけません。家事は一緒にやりましょう、しかし同じ仕事を一緒にやってはいけません。びっくりさせたり、思い付きを言ったり、新しいことを始めたりするのは避けましょう。嫌な反応を示されるだけです。

忠誠心を義務感と思わないようにし、イラッとしたり合わないなと思っても意識的に抑えましょう。もっとも楽しい瞬間を褒めたたえることを慣習にしましょう。もっとも困難な瞬間にはお互いに助け合いましょう。これが、外部の圧力や災難に抗い、お互いの関心を追求する場面において、この関係が答えを出してくれる有効なものであるとわかる方法です。

衝突関係③(by Gulenko, Molodtsev)

水面下で衝突を引き起こす関係です。この関係においては、ほとんど心理的に一致するものがありません。しかし、これは直ちには明らかになりません。衝突関係の相手はしばしば魅力的に見えます。人格が非常に成熟していて、自分にはできない考え方をするので、畏敬の念をおぼえます。接触するのも親密になるのも最初は可能なことのように見えます。しかし途中から事はジリジリと悪くなっていくように見えます。2人の共通語を見つける試みがなぜうまくいかないのか深く考えてみると、誤解の原因は重要でも容易に取り除けるものでもないという結論に至ります。もっと努力することが唯一必要なことで、そうすれば相手はあなたを理解してくれるでしょう。どうも相手に自分を気にさせようとする絶え間ない無意識の欲求があります。しかしこの試みは、深淵の際を歩くようなものです――落ちる危険、無益で疲れる戦いに巻き込まれる危険が、常にあるのです。こういった口論になると、2人は必然的に急所を刺し合うことになります。相手に何かを証明したい、はっきりさせたい、自分のことをちゃんと説明したい、そういった欲望がありますが、相手はあなたを理解するのをわざと拒みます。ついには怒りとピリピリした感情が大いに沸き起こります。多分この関係のもっとも悪い部分は、しばしばお互いが助け合わないということにあるでしょう――外からの攻撃や脅威からお互いを守ることができないのです。言葉で守ってあげることを言っているのではありません。相手の弱点ゆえにできないことが明確であるような相手のタスクを代わりに果たしてあげるということを言っているのです。このせいで、この関係はしばしば安心感を欠かします。これは目に見えて敵対的な環境においてはとりわけ重要です。相手と別れて、共通の場を見つけたいという長い試みが終わると、しばしばほっとした気持ちを取り戻します。

まとめと体験談

ざっくりまとめると、衝突関係の特徴は

  • 最初はお互いに自分にないものを持っているので惹かれ合う。
  • 仲良くなろうとして接近すると誤解が生じ、ピリピリし、衝突する。
  • 最大限距離をとり、礼儀正しい関係を維持するのがベスト。

という感じですね。

衝突関係のLSEの方と急速に親しくなったと思いきや急速に関係が悪化し、ついに絶縁したことがありました。はじめは冗談を言い合って楽しかったのですが、距離を縮めた瞬間から不思議なくらい一気にダメになりました。お互いに不信感や抑圧があっただろうに、我慢の限界まで無理して親しくなろうとしていました。IEIの私は「私がだらしないせいで怒らせてしまう…」と思い無理してしっかりした人になろうとしていたし、多分LSE氏も「自分がすぐ怒ってしまうせいで…」と無理していたのかもしれません。こういう“お互い様”の発想は多分私側の正当化の方法であって、多分LSE氏は別の正当化を試みているのだとは思いますが、いずれにせよ「親しき中にも礼儀あり」を忘れてはいけないなと反省しています。

引用・参考

*1:MBTIとソシオニクスではJとPの扱い方が違うためこういう説明にしました。

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