仕事帰りの電車の中で読めるをコンセプトにした、宵のつれづれシリーズ。今回は第31回目、怒れるEIIです。
怒れるEII
第28回の、SLI夫とEII妻という活性化関係の夫婦についての記事、
これを読んで、ひょっとしたらこう言ってくる人が現れるかもしれない…。
EIIは感情を抑えるタイプと言われていますけど? 感情的に泣いたり怒ったりするのは外向倫理型であって、この妻はEIIではありませんね。
まず、「EIIは感情を抑えるタイプ」というのはまぁ正しいと思います。これについては今日これから説明します。
が、「感情的に泣いたり怒ったりする →(ならば) EIIではない」という推論は誤りです。
というのも、ソシオタイプは複数の面から構成されるので、「外向倫理型」以外のタイプも「外向倫理」という要素は持つからです。EIIをはじめ、どんなタイプであっても、状況によっては、感情をあらわにすることがあります。
では、各タイプが具体的にどういう状況でどういう風に感情をあらわにするか。そのタイプの外向倫理(感情表現の倫理)がどの機能に位置するかで判断できます。
EIIの場合、外向倫理は観察する機能(無視される機能)に位置します。
観察する機能は、#1でも説明した通り、人や出来事の状況を絶えず見ている監視カメラ的な機能。この機能に関してはあまり価値を感じておらず、この機能が得る情報自体にあまり目を向けようとしません(無視します)。
しかし、誰かが困っているときは、監視カメラの情報を引っ張り出すことができます。たとえば身近な人が困っていれば、見てきたことからアドバイスを出してあげることができます(#1参照)。
EIIの場合、普段は、人や自分の感情の状態については注目しようとしないし、感情をあらわにすることもしません(EIIの表情も大体真顔って感じです)。それでも、常に人の感情を捉えているし、誰かが感情の伝え方に困っていれば、助けてあげることもできます。
そしてさらに重要なのは、観察する機能は、自分が苦しい状況ほどアクティブになります。それは、観察する機能は保身のための機能だからです(イドブロックの機能なので)。具体的には、相手を非難したり、他人の批判を免れようと企んだりするときによく使われます。
EIIの場合、その自分が苦しい状況ほどアクティブになる保身の手段が、感情表現ということになります。自分の立場が危うくなればなるほど、泣いたり怒ったりして相手に罪悪感を植え付けようとする行動が増えますね。
実際、#28のEII妻も、SLI夫に対して感情的に泣いたり怒ったりしながら非難を繰り返していました。
そうやってまた私を置いていくんだね…。
以上、EIIだってよっぽどのときは感情抑えずに怒ったり泣いたりしますよ(でも感情抑えめなほうが普段のEIIらしくはありますね)という話でした。次回に続きます。
※ひよこちゃんのセリフはイメージです。