ソシオニクスの本って何がある?入門書のおすすめは? | いざよいブログ
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ソシオニクスの本って何がある?入門書のおすすめは?

時々こう聞かれることがあります。「ソシオニクスの本って何がおすすめですか?」調べた限り数は結構あるのですが、そのほとんどがロシア語です。そこで今回は、ロシア語よりは難易度が低いと思われる英語版の入門書を紹介します。

ソシオニクスの入門書のおすすめは?

今回紹介するのは、Understanding the People Around You: An Introduction to Socionicsという本です。

タイトルを和訳すると「周りの人たちを理解する:ソシオニクス入門」くらいの感じでしょうか。タイトルからもわかる通り、ソシオニクスをはじめて知る人向けの、まさに入門書になっています。

著者はソシオニクス研究者のEkaterina Filatova(1938-2015)です。彼女はEIIであり、(Tが得意とするような)ソシオニクスの理論的な発展には寄与することはできなかったようですが、そのかわりにソシオニクスを世に広めるという大仕事をやってのけました。現にこの本はとても読みやすいですし、入門としてはちょうどいい難易度だと思います。

今回は、この本の内容の一部と読んだ感想をご紹介します。

本の内容

導入①:人には向き不向きがある

この本の冒頭では、ある人たちの例が挙げられています。1人目は「力」が強く、そういう「力」でもって世界をゴリゴリ引っ張っていくことが一番重要だと考える人です。そして2人目は「力」が弱く、力ずくというのはどんな形であっても許されない絶対悪だと考える人です。

では、この2人がどちらも軍人だったらと想像してみましょう(図の彼は軍人というか武士ですが)。力こそすべての人は生き生きとしているかもしれませんが、力ずくが許せない人にとってはきっと大きなストレスになります。しかし2人が軍人ではなく保育士だったらどうでしょうか。Filatovaは、保育の場面では力によるゴリゴリ戦法はむしろ不適切だろうと言います。軍人をしていたときには生き生きとしていた人も、保育の現場では大きなストレスを感じることでしょう。ここからわかるのは、優秀な軍人が優秀な保育士であるとは限らないし、ポンコツ軍人が保育士に転職して一気に花開くということもあるということです(当然逆もしかりです)。

導入②:人には相性がある

ではこの2人が一緒にいたとしたらどうでしょうか。衝突は避けられない、とFilatovaは考えます。力を絶対悪だと考える人からすれば、力で支配するなんて悪魔の考えることなのですから。しかし単純に「力が弱い人ほど力を嫌うのだな」と考えるのは短絡です。その証拠に、彼女は3人目の人を登場させます。この人は2人目と同じく力が弱い人です。しかし2人目とは違って、力による支配を悪いものとは考えません。それどころか、自分を助けてくれる救世主のように感じています。つまりこの3人目は、力が弱い分だけ力に憧れている人なのです。

導入③:ソシオニクスはこれらの違いを考える

今、3人の登場人物が登場しました。1人目は、力が強い人。2人目は、力が弱く力を嫌う人。そして3人目が、力が弱いが力を好む人です。こうした違いがなぜ生じるのかを、心を構造化することによって説明しようとするのがソシオニクスと言えるでしょう。

本書では、この心の構造としてモデルJが採用されています。当ブログ、ならびに多くのソシオニクス研究においてはモデルAを使うのが主流ですが、モデルAって8つも機能があって複雑なのは否めません。一方モデルJは、機能がモデルAの半分の4つ(=①主導する機能、②創造する機能、④脆弱な機能、⑤暗示される機能だけ)しかなく、入門としてはちょうどいいのではないかと思います。

ソシオニクスに触れてきた読者の方ならもうおわかりかもしれませんが、先の「力」とはSeのことです。ネタばらしをすれば、1人目は①主導する機能にSeを持ち、2人目は④脆弱な機能にSeを持ち、そして3人目は⑤暗示される機能にSeを持っていたのです。

本編:ソシオニクス理論を紹介

以上のような導入からスタートして、ソシオニクスの理論が少しずつ解説されていきます。NF、NT、SF、STという4分類の紹介、8つの要素の説明、モデルJの説明、16タイプの説明、14の関係の説明など、内容は網羅されたものになっています。

理論面では、先の導入のように具体例を挙げてくれるのでとても親しみやすいです。バスが崖から転落したときにどんな行動をとるかで、8つの要素の説明をしているところもありました。

また、著者のFilatovaは他にも面白い研究をしていることで有名です。なんと彼女、ソシオニクスのタイプを判定された人たちの顔写真を大量に撮っているんです。本書には、ごく一部ですがその写真が載っています。タイプの説明にも、こうした容姿の研究が反映されています。

注意:タイプや要素の表記がややこしい!

ソシオニクスあるあるなんでしょうか、タイプや要素に用いるアルファベットが研究者によってまちまちでややこしいです。本書の表記は、当然MBTIとは異なりますが、当ブログとも異なっています。たとえば多くのソシオニクス研究者が、”SEI(Sensory-Ethical-Introvert)”とするところを、Filatovaは”SFI(Sensing-Feeling-Introvert)”と表記します。また、8つの要素は、”Se”や”Ni”という表記が主流と思われますが、本書では一文字表記です。”Se”は”F(factor)”だし、”Ni”は”T(tempus)”です。こういうのがちょっとわかりにくいです。せめて同じアルファベット禁止にしてほしいです。

感想

説明はわかりやすいけど表記に混乱

先に紹介した導入部分はとてもわかりやすく良かったです。私もこういうふうに入門を書けばよかった!と思いました(笑)。

ただ、やはり先に書いたように、タイプの表記、要素の表記など、インターネットで情報を得ているような人たちにはなじみのないFilatovaオリジナル(?)が結構多いので、そこで混乱を招くことになるかなと思いました。

MBTIとの違いがわかるかも

モデルJもモデルAになじみのある人からすれば混乱のもとになりそうですが、モデルJ自体は簡単でいいなと思いました。それに、モデルAでいう④脆弱な機能を扱うことで、同じ4つの機能を扱うMBTIのタイプダイナミクスとの差異化もはかれています(MBTIのタイプダイナミクスには④脆弱な機能にあたる機能はないからです)。以前、MBTIはポリコレなので弱みにはあまり触れないけど、ソシオニクスは弱みに注目するという話をしましたが、そういうのがモデルJからはガンガン伝わるなあと感じました。

参考:MBTIとソシオニクスの違い②~スタンスの違い・方法の違い~ – いざよいブログ

英語の副教材のつもりで

英語については、Amazon.comのレビューによるとところどころ文法ミスやスペルのミスがあるみたいですが、基本的にはそこまで難しくないです。私がいつもあてにしているWikisocionなんかに比べるとよっぽどちゃんとした英語です。おそらくGoogleで自動翻訳かけているんじゃないかと思うんですがあまりにもひどいので、最近は直接ロシア語読むようにしました。まだあんまり読めないですが、辞書引きながら勉強しています。英語に苦手意識のある方は多いかもしれませんが、これを副教材として勉強してみるのもアリだと思います。

安いから買っても損はしない

これで最後にしますが、なによりKindle版が安いです。ペーパーバック版だと$16.42なので1800円くらいしますが、Kindle版だと$2.74、大体300円ちょいで買えちゃいます(※2018年9月時点)。Kindleを持っていなくてもスマホやパソコンからでもアプリをDLすれば読めますし、コンビニで500mLのお茶2本買うのと同じだと思えば、買って後悔するような値段でもないかなあと思いました。

みなさんもよければ読んでみてください。また良い本があったら紹介します。

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